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絹織物やニット製品は基本的にすべてドライクリーニング表示にて対応して下さい。

理由は三つ。

絹織物の収縮率はドライのとき経緯とも、いずれも1%程度未満なのに対し、中性洗剤による押し洗いのときは羽二重のような強撚でない織物でも3〜4%、クレープのような強撚織物の場合は4〜8%程度も収縮してしまいます。勿論布地の種類や組織、織物整理の方法にもよりますが。

二つ目は前項で見ていただいた染色堅牢度の問題。洗濯や湿摩擦堅牢度はドライの堅牢度より2級近く落ちるわけです。実際の色差試験でも、ドライの方が色落ちしにくいことが実証されています。

もう一つはフィブリル化による色変化です。絹は親水性が高く水分を繊維の奥の奥まで入り込ませます。そこで繊維が一本一本の単繊維にほぐれ、水流や摩擦で繊維(ファイバー)が切れたり傷ついたりします。それをフィブリル化現象と呼び、濃色などの場合白みがかってきます。

また、野蚕糸の場合、精練染色で一旦収縮していても、伸度があって最終的には再度高い収縮を起こしますので、これらはドライに限定して下さいね。
ニット製品では、逆に型崩れの心配も出てきます。生糸の場合伸縮性がなく、肩から肘にかけてやヘム部分でダレとよばれる現象が起きやすい。また、紬糸(ノイル)では繊維のすべりで編み密度(コース、ウエール)が大きくなってしまうのです。

これらもドライクリーニングにすることで、最小限にとどめることができたりしますから。どうしても手洗いを表示しなくてはならないなら、下記の方法で。短時間の手押洗いでいってみましょう。

35〜40℃前後のお風呂の残り湯などで短時間に、中性洗剤を用いて揉んだりせず(フィブリル化しラウジネスが発生する)、充分にすすぎ(この時も強水流は厳禁)、洗剤を落としきってから、陰干し。ニットなど変形しやすいものは板干しのほうがハンガー干しよりも優しいです。

せっかく贅沢して買ってもらったシルクなんですから、大事に使ってもらいましょう!


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