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糸の太さをあらわす表示方法には主に5種類あります。これらは糸の見かけ上の太さには関係なく、長さと重さによって表示されます。

絹紡、特絹糸、紬糸などの紡績糸を表すのには恒重式の「番手」というものを使います。
生糸、生糸撚糸、柞蚕撚糸などの長繊維を表すのには恒長式の「繊度」を使います。


恒長式の「繊度」は数値が大きくなればなるほど太くなり、小さくなれば細くなりますが、恒重式の「番手」は逆で大きくなればなるほど細くなり、小さくなれば太くなります。

その内、絹で使う表示は「綿番手」「毛番手」「デニール」の3種類です。(下記)

【毛番手】

メートル番手(メートリックコルテ)ともフランス式番手とも言う。
1グラムあたり何メーターあるかで決まる。(m/g)つまり1グラムで2メーターあれば毛番の2番手(表示は1/2NMとか、MC1/2など、基本的に何分の一という感じの表示になります)1キログラムで35000メーターなら35000÷1000=35番手(1/35=1000/35000)と最も計算しやすい便利な番手である。

【綿番手】

英国式番手(イングリシュカウント)ともいうように、ヤードポンド法を使う。
1ポンド(453.6g)で840ヤード(768m)の場合を1番手、1680ヤードで2番手(EC2/1とか2´s、ただの2/1などと表示)という風ですが、換算して言うと、1グラムで1.69mあれば1番手ということになる。

【麻番手】

麻は重く太いので1ポンド(453.6g)で300ヤード(274m)の場合を1番手、600ヤードで2番手[2/1(L)と表示]します。換算して言うと、1グラムで0.6mあれば1番手です。

【デニール】

長さが9000mで何グラムあるかが、デニールの表示です。9000m=1gで1デニール、2gで2デニール(表示は2D、2d、2drなど)生糸の繊度にも21中とか27中などという表示があるが、これらは21dr中心、
27dr中心という意味である。

【デシテックス】

恒長式の基準が9000mより10000mの方が計算はしやすいので、最近は長繊維の表記を国際標準化機構の薦めるデシテックス(表記はDTX,dtx)に切り替える動きも多くなってきた。(絹業界では一般的ではない)

では、それぞれの番手と繊度の互換計算方法はどうすれば、いいのでしょうか。簡単には下記の指数を記憶しておくとすごく便利です。

番手はあいうえお順に並びます(あ、け、め の順)

(麻番)×0.6=(毛番)×0.6=(綿番) [毛と綿の間は正確には0.591ですが]

ですから逆に

(綿番)÷0.6=(毛番) ÷0.6=(麻番)

麻番40番の麻は綿番だと40×0.36でおよそ14.4番手となります。

毛番手とデニールの関係は

9000÷デニール=毛番(同時に、9000÷毛番=デニールでもある)
5315÷デニール=綿番(同時に、5315÷綿番=デニールでもある)

毛番MC2/140の絹紡糸はデニールに換算すると

9000÷1/70=128dとなり、大体21/6諸や31/4片(未精練時)と同じくらいだとわかる。

綿番EC65/2の綿糸はデニールに換算すると

5315÷32.5/1=166dとなり、大体21/8諸や28/6片(未精練時)と同じくらいだとわかる。

柞蚕35/6諸の撚糸は毛番に直すと

9000÷210d=1/43同じく綿番になら、5315÷210d=25/1です。


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