前掲の柞蚕生糸以外の各種野蚕糸と、一部特殊な家蚕糸を紹介します。世界にはたくさんの蛾が棲息していますが、その内、織物に使用されている蚕糸はせいぜい半分位だとも云われています。糸をひけるのかどうかもわからない蚕種もあったり、原産地の技術が未熟だったり、国によっては輸出を禁じていたり(インドは原料と糸を国が管理。ムガ、タサール、インドタッサー等が対象)しますので、希少価値を訴求することができるのが魅力でもあります。家蚕糸(生糸、絹紡など)との決定的な違いは、総じて以下のようなものです。
(1) 黄白色、黄、茶、黄土、緑などの自然な色目がついていることが多い
(2) 家蚕糸ほどには充分に精練できず、光沢はやや鈍く染色堅牢度も低い
(3) 精練収縮率が高くハイバルキーな糸が多い(保温性が高い)
(4) 繊維断面が扁平なものが多く、染色後ギラつくこともままある。
また、野蚕は原産地に植生している草木や耕作物を蚕が食べていますので、地球環境の生態系バランスの上で成り立ってる、エコロジー素材でもあるのです。
詳しくは、家蚕と野蚕の違いへ
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